「宇宙では空気が大事な資源なんだから非喫煙者しか住めないのは知ってんだろ?喫煙したければ地球で暮らすこったな。ガハハハ」
「あんな低層の重力井戸なんかで暮らせるわけないでしょ。アタシは単に美味しいウィスキーには美味しいタバコを合わせて楽しみたかっただけなんだよ。マジかー。レアメタルの高騰が落ち着かない限りは、喫煙用浄化装置なんて夢のまた夢だもんなあ…。そりゃーおっちゃんの若い頃は好きなだけタバコ吸えてもう満足しただろうけどさあ、アタシの人生はこれからなんだよね」
「そういや石屋の賢吉がこの前ここに寄って行ってよ。あいつ、ラグランジュ4のあたりにどでかいコーシニウムがあるって噂を聞いたらしいぞ」
「ラグランジュ4?コーディレフスキーの雲のあたりか。あんなとこにはクズ天体しかないだろ?」
「それがよ、観測庁の最新データによると、その大きさなんと3万キュビト」
「さっ、3万キュビト?!そんなバカでかい金属結晶がなんで今さら…」
「霧が晴れたんだとよ。宇宙の霧がよ。今までオレらが見てたL4はカーテン越しに映る影みたいもんだったらしい」
「3万キュビトもあれば浄化装置どころか、量子コンピューター用のメモリも作りたい放題じゃんかよ!アタシ、イーロンおじいちゃんを超える大事業家になっちゃうかも!」
「お前、まさか行くつもりじゃないだろうな。この前の一件で懲りたんじゃ…」
「ハハ。アタシにそんな話を振る時点でおっちゃんもそのつもりだろ?イオンスクーターは明日メンテから帰って来る!」
テンプレっぽい感じで思いつきで書き出してみたけど、設定もないし考証もないし、フックもない。たったこれだけでもボロボロなのがわかる。小説家ってマジですごいな。小学生と東大理3ぐらいの差を感じる。まあでも素人とプロの差なんてそんなもんだよなあ…。