チラウラヤーン3号

その辺のプログラマーのチラ裏です。

90年代の中国で若者の間で何が流行っていたか知らない。

親の世代のインドではどんな有名人がいたのかを知らない。

昨日のニカラグアではどんな料理が一番食べられていたのかを知らない。

私はいつもそこにいなかった。そこの国の人たちと言葉を交わすこともないし、共に過ごしてもこなかった。

ウォークマンがMDになり、mp3プレイヤーに置き換わり、iPodが目立ち、電話と合体したその進化を目の当たりにしてきたけど、そんな川の流れに身を置くように日々の移ろいを味わえたのは日本でだけで、他の国に私はいなかったので、他の国の日々の移ろいがどんな色や音をしていたのかを私は知らない。

体の所在がただ一つにしか定まらないという制約がある以上、当地の人なら当たり前に知っているようなことすら、何も知らないし、わからないというこの心地よさは、きっと永遠に続くのであった。

(暑くて眠れません)