チラウラヤーン3号

その辺のプログラマーのチラ裏です。

隣んちのおっちゃんから。

帰省。

お隣さんに、町が主催する婚活イベントに参加せんか、という話を持ちかけられた。

「なに、特別なことせんでも『ああ、あんたも穴水出身かい。私もやわ。ほうか、ほうか』と言っとりゃええ。会うだけ会ってみりゃいいがや」

と。ちなみに、この「隣のおじちゃん」は「夜」のことを「夜さり」と言ったり、朝のことを「朝霧」と言ったり、古い大和言葉を日常的に使う。「珠洲の方がもっとひどいね。俺ですら、何を言っとるか分からん (ことがある)。これは能登が半島であったことから、外来の者との交流が薄く、言葉や文化風習が残りやすかったから、やと俺は思うとる」珠洲の話については、最近は皆、通じる言葉で会話することの方が多いのだが昔はそうだったのだろう。「徳川の時代なんて、古いと言ってもたかが200年前やろ?おれらっちは万葉の時代から受け継いどる」素晴らしい。素晴らしいが、ここは20年後には人口が今の半分、5000人前後になると予測されている過疎の町で、いずれはその歴史も失われてしまうであろうことが惜しい。惜しいので、おじちゃんの持っている郷土資料から、古語が残る、京都由来の祭りの歌や、鍛治師、鋳物師達によってかつては栄えたこの村の歴史の断片を写真に撮らせてもらった。

さておき。

「俺たちの頃には、お節介を焼くばぁばがおってな。今はそういうの廃れたけど。良かったのは、そのばぁばは、相手の家のこともよーく知っとることやったな。だから変な相手は連れて来んかった。」

それを聞いて、もうずいぶん前だけど、社会に出始めの頃、親父の友達が社長の会社で面接受けた時に、社長が私の一応持ってきた履歴書を見て、

「わたしらの頃は (応募者の) 家柄も見たもんや。家族構成や、どんな生業か、とかな。下手なやつを入れると困るからな。分かるか」

と言われたことを思い出した。顔写真や性別、年齢ですら、日本の履歴書は時代遅れだという人もいるけど、家柄まで気にするとはどこの中世よ?と思ったものだけど、今にして思えば、それはそれで田舎においての組織を維持するための方法ではあったのかもしれないと思った。

都会と田舎、それぞれにそれぞれのあり方があるのだろう。

同郷出身者同士の婚活パーティーね…。こっちには帰省中しか来ないしなあ。ふーむ…。

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